2014年1月20日月曜日

映画:トゥモロー・ワールド

『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督の前作。
先日試しに登録してみたHuluで見ました。

<激短!あらすじディストピア>
2027年、謎の不妊現象で子供が誕生しなくなり、荒廃しっぱなしの世界。オレは突然レジスタンスから妊婦の護送を頼まれた!(なぜか軽薄な紹介文)

 「『ブレード・ランナー』とか『トータル・リコール』とか、フィリップ・K・ディック原作の有名どころの映画や小説をそれなりに楽しんだ」程度にしかSFになじみのない私。基本的に「近未来SF」ってのを好んで見るタイプではないのです。
 SFって一見現実離れしたそのストーリーに、人間の持つ普遍的な問題だったり、現代社会への批判だったりを読みこんで味わうところに楽しみがあるんだと思うんだけど(違うのかな?)、そういう現実的な問題は、物語で語られるよりルポやドキュメントで「今そこにある危機」として読んだり見たりしたいナー、など身も蓋もないことを思ってしまうのであって。まあ、もちろんそれも表現方法次第なんですけど・・・。そういう意味で『クロニクル』なんかは語り方が画期的だなーと思った次第。
 斯様に残念なSF弱者であるからして「奇跡的に妊娠した女性をめぐって敵と味方が入り乱れ・・・」という展開も「ふ~ん」てなもんで、ストーリーそれ自体にはさほど没入できなかった。だって、「そんな大事な人をなぜわざわざ危険にさらすようなことする!」とか思っちゃって。すみません無粋で。そもそも「子供が生まれなくなった世界で、自暴自棄になっている人類」っていう物語の設定から飲みこめなくて・・・。「自暴自棄はよくないよ!」とか「そんな世界ならなおさら、全人類全力で妊婦を守りなさいよ!」とか普通に思ったりして。や、「人間は愚かだから本当に大事なことを見失い、争いを繰り返してしまう・・・」っていうことを教えてくれてるんでしょうけどね・・・。

 知ってるよ!

 ・・・。しかしながら映像の方はさすが『ゼロ・グラビティ』で完全に観客(俺)をノックアウトしたキュアロン監督。この映画でも「どうやって撮ってんだこれ??」という長回しの連続。全編通しての緊張感は並々ならぬものがあった。
 途中、とても感動的なシーンがあるのだけど、「こっちの息が切れるのが早いか、カットが変わるのが早いか」って感じの長回し。監督が挑みかかってきているかのようだった。ここは素直にノックアウト(何回ノックアウトされてんだっていう)。

 「長回しは監督と観客の勝負だ」と思いましたね。

 長回しって観点だと最近の映画では『SR3』のクライマックスシーンなんかを思い出したけど、入江監督、この映画に影響受けてるのだろうか。

 これ、映画館で見られればよかったなあ。基本的に全ての映画についてそうなんだけども。

 クライヴ・オーウェンは少しデッカード(ハリソン・フォード)に似てると思った。


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