2013年11月11日月曜日

映画:クロニクル

新宿シネマカリテにて『クロニクル』見てきました。

<激短!あらすじレストラン>
ひょんなことから超能力をゲットした高校生3人組の青春の行方は…。

ビデオカメラに納められていた映像を編集した体の映画で、こういう映画のことを「ファウンドフッテージ」(発見された映像)ものというそうです(タマフルで得た知識)。一言で言えば『ブレアウィッチ・プロジェクト』みたいな作りの映画ですね。というか、『ブレアウィッチ・プロジェクト』は結局最後まで画面には超常現象的なものは写っていなかったわけですが、この映画は言うなれば「とてつもないことが写りまくっている、超絶に楽しいし怖い『ブレアウィッチ・プロジェクト』」と言う感じですかね。今考えたら『ブレアウィッチ・プロジェクト』、あれつまんなかったなー。余談だけど。あれから10数年、僕たちはこんなに楽しい「ファウンドフッテージ」を見られるという幸せ。余談だけど。

主人公の高校生3人組のキャラクターが妙にリアルでした。いじめられっ子(主役)と、地味なイケメンと、優しい人気者の3人。超能力を手に入れてどんどん自我が増幅、その力を悪い方向に使い始めるいじめられっ子。そりゃそうだ。超自然的な能力を持つことができたら、だれだってダークサイドに転がる可能性があるでしょう。心のどこかに暗い部分を持つ人であれば特にその振れ幅が大きいのではないでしょうか。仮に僕が超能力を持てたら、たぶんこんな感じになると思います(駄目)。逆に他の2人はよくダークサイドに落ちなかったなーと思うのですが、これは「飲み会で自分より酔っ払っている奴がいると、酔えない」の法則が発動していたのだと思われますね。(分かる人にしか分からない例え)

だから、この話、「いじめられっ子だからこうなった」と短絡できないと思うんですよね。「誰だって物事の当事者になる可能性がある」ってことを「実際には起こり得ない出来事」を通じてちゃんと描いているように思いました。というか、完全に余談ですが、全ての「実際の犯罪」だって、いつ自分たちが当事者、もっと言ってしまうと加害者になるか分からないじゃないですか。たとえば殺人事件のニュースを見て、被害者に思いを寄せることは当然としても、「絶対に、100%、神に誓って、自分は犯人の側には決して、回らない」などと心の底から誓える人はいるのでしょうか。余談でした。

まあそれはともかく、すでにいろんな人が言及してますけど、このいじめられっ子、あきらかに『AKIRA』の鉄男オマージュだと思うんですが、実際に彼が発するセリフとして「俺に指図するな」という鉄男っぽい字幕があった気がします。

登場人物が超能力を使うシーンはどれも新鮮な驚きがあり、大興奮の80数分でした。しかし、超能力を得たきっかけとなった「あるもの」や、その副作用とかの伏線はまったく回収されないので、次回作があるんでしょうか。

しかしなんで、タイトルが『クロニクル』(chronicle:年代記、一代記)なんだろうなと思ったら単純に「記録」という意味もあるんですね。


0 件のコメント:

コメントを投稿